WBC投手陣の開幕数試合の成績に見る「国際舞台」の重圧

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暖かい季節となり、プロ野球が開幕しました。3月にはWBCがあり、日本中が野球日本代表に注目し、応援し続けました。そして、そのWBCの興奮が冷めやらぬまま日本のプロ野球シーズンが開幕しました。

しかし、そのような中でWBCに出場した投手陣の調子が思わしくないと感じています。阪神の藤浪・ソフトバンクの千賀・ロッテの石川など、開幕直後の試合で想像以上の不安定な投球内容を見せているからです。

まずは、今回のWBCで唯一日本代表からベストナインに輝いたソフトバンクの千賀投手は、今季初戦で4回7失点と大崩れで、チームの連勝を止めてしまいました。

代表チームのエースと言われた巨人の菅野投手は、広島戦で5失点KOとなり、ルーキーにマウンドを託す形となりました。

この他にも、阪神の藤浪投手は、ヤクルト戦で5回5安打2失点という結果でありながら、8四球と1死球の内容が伴わない最悪のバランスで大乱闘まで引き起こしてマウンドを降りました。

楽天の則本投手も、今季初登板初先発で5回10安打6失点と散々な内容でした。

そして、最も酷かったのが日本代表の開幕投手を務めたロッテの石川選手です。石川選手は、開幕から3試合に登板して3戦3敗となっていて、全くと言っていいほどピッチングの調子が上がらずに、無期限で2軍降格の再調整となりました。

このような状況の中で、この日本代表投手陣の不調には理由がある、と語っている人がいます。それは、WBC野球日本代表の投手コーチだった権藤博氏です。

権藤コーチは、原因は大会中の疲労ではなく、投球中における「強弱」が失われていることにあるとみています。ここでいう「強弱」とは、投球中の「緩急」と言うことではなく、打者の「目」と「間」を狂わせる「強弱」のことを指すといいます。

具体的に言うならば、「140kmの直球と150kmの直球の使い分け」を意味しているそうです。権藤コーチの見立てでは、「世界のパワーヒッターと対峙し、ヒリヒリするような勝負をしてきたので、どうしても力や勢いで押したくなってしまう。しかし、日本の打者はミート力に優れているため、いくら調子が良くても、それだけでは打たれてしまう。」ということのようです。

確かに、WBCに出場する選手たちは、メジャーリーグや各国のリーグで活躍している選手がほとんどです。そのため、厳しいコースに変化球を投げても振り切られてホームランを打たれてしまうことがあります。

そして、大きい当たりを打たれないように投手は神経を使います。結果として、ストレートに頼らざるを得なくなり、パワーピッチングになってしまうのです。

これらのことは、よく考えてみれば当たり前のことなのかもしれませんが、極限状態の中で戦っていた頃の傾向や意識というものはすぐには治らないのかもしれないと感じました。

さらに、菅野投手は前述したように、広島戦で5失点していて100球前後から球威が落ちているのではないかという疑惑が浮上し、「100球が限界」と実際に予測したスコアラーもいたといいます。

WBCの影響もあり、力のバランスや体調など普段と変わってしまうところもありますが、過去の成績を見れば菅野投手がとてもいい選手だという事は分かっているはずです。

つまり、国際大会はこれだけの肉体的疲労と精神的疲労を伴うものだということです。

今回取り上げた選手たちのように、例年とは明らかに違う様相を見せている選手が多数見られれば大会の影響を疑われても仕方がない部分があると思います。

今後気をつけなければいけない事は、日本プロ野球協会側が今まで以上に、選手に配慮した対応を行うこと、協会側と選手側が密な連絡を取り合うようにすることだと考えます。
今回の反省を国内の野球・国際大会への準備へ活かしてほしいと思っています。

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