「広島の選手はかなり盗塁していた。捕手は盗塁を刺すことが魅力の一つ。そこはアピールしていきたい」
2014年夏の甲子園で1試合11個の盗塁を決めるなど、機動力を駆使して相手を崩す野球で全国に名をとどろかせた同校。長坂自身も「機動破壊」をモットーに3年間を過ごし11年夏、12年春に甲子園出場を果たした。(デイリー)
群馬県の私立高崎健康福祉大学附属高崎高等学校(以下 健大高崎)は高校野球としては新興勢力ではありますが、「機動破壊」と形容される脚を活かしたプレーにより、一躍全国区に躍り出たチームです。
その成果はすさまじく、選抜高校野球の第84回大会ではベスト4入りを果たすなどすっかり強豪校の仲間入りを果たしました。
機動破壊って何?
そもそも機動破壊ってなんなの?というかたのために少し解説します。機動破壊は、機動力が破壊されるどころか機動力を追求することなのです。
つまり機動破壊とは、尋常ではない機動力を使って相手を破壊する(倒す)こと。
コチラの動画がわかりやすいと思います。
さてこの健大高崎、校歌斉唱の際には英語も交えた特徴的な歌詞が耳に残る方も多いとは思いますが、野球部の練習スタイルとして極めてシンプルかつ衝撃的なのが、とにかく走ること。
野球と言えば盗塁が機動力の代名詞ではありますが、それだけではないのが健大高崎。これは理にかなった練習方法であり、まず基礎的な下半身の強化を果たしていることがあげられます。
実はどの学校の野球部であってもまず最初にやる事は走ること。それは当然で、例えばピッチングをするにしても投球をうまく放つためには、下半身でしっかり踏み込んで勢いをつけなければなりません。
バッティングにしてもフォームがブレないようしっかりするためには、地に足をついてバランスを保たなければならず、結局走る事はどのプレーにおいても必須な基礎的なことなのです。
健大高崎の場合、この基礎である「走る」をさらに集中的に強化することで、チーム全体の底あげにつながっている点が大きいです。
走ることでスタミナもつきますから、試合においても持久力が向上します。そういうわけですから、特定の有能な選手に頼った強さではなく、まさに全員野球で勝ち続ける結果となっています。
そして、やはり衝撃的だったのが試合中の盗塁の多さでしょう。一試合10盗塁など、とにかくランナーが出た時点で常に走っているような印象があります。
これは心理的にも大変有効で、相手のピッチャーにとっては常時盗塁に警戒しなければならず投球への集中を大幅に削ぐことができるわけです。
一方で、批判的な意見も
一部の意見として、プロ(特にメジャー)に見られるような得点差がついた時点で盗塁を行うのはマナー違反という指摘もあります。
しかしプロの場合は年間を通したシーズンで戦っている上で、必要以上の浪費を防ぐ取り組みであり、1戦1戦が勝負のトーナメントである高校野球とは全く性質が違います。
実際、10点差でも試合がひっくり返ってしまうことが甲子園での大会においても珍しいことでは無いわけで、最後まで全力で相手と戦うと言う礼儀を尽くした戦い方と見るべきでしょう。
さてその「機動破壊」ですが、健大高崎の躍進で戦い方が相手チームに研究されるようになり、当然そう簡単に走れなくなってきました。
その結果として甲子園本戦前、群馬県大会においても健大高崎は順当に勝ち進めているわけではなく、甲子園の常連校とは必ずしもなってはいません。
ただ個人的に、甲子園で見れるのを楽しみにしているので是非今年は出場を勝ち取って欲しいですね!!