2016年のドラフト会議で、見事に創価大の田中正義を引き当てたホークス。
昨年の2015年ドラフト会議では3球団強豪の末、岐阜商業の高橋純平を引き当てるなど、将来ホークスの先発陣を支えていくであろう選手を順調に獲得している。
しかし、ホークスにはベテラン・若手合わせ、2軍や3軍には将来有望な投手陣も数多く在籍する。
今回は2017年の先発ローテを予想してみよう。
●2016年のローテを振り返る
まずは2016年の先発ローテを振り返ってみよう。
1年を通し投げ続けたのが和田毅、武田翔太、千賀滉大の3名だ。途中息切れをしたものの序盤は東浜巨も奮闘を見せ、彼らを中心にローテを回し戦い続けてきた。彼らの谷間は中田賢一や岩嵜翔らが埋め、しっかりとゲームを作ってくれたのは大きかったことだろう。終わってみれば怪我でシーズンほぼ不在となったバンデンハークの離脱こそ痛かったが、2016年ホークスの先発事情は他球団に比べ迷うほど人材に恵まれていたのではないだろうか。
●2017年のローテはどうなる?~現役投手編
2016年シーズンを踏まえ、2017年シーズンのローテはどうなるだろうか。
最多勝・最高勝率のタイトルを獲得した和田は、終盤に肘を痛め離脱している。肘の具合次第で2017年ローテの一角は当確しているひとりと思うが、年齢も考えると無理をさせられない現状だ。左腕が不足しているチーム事情を考え、若手左腕が出てくると和田への負担も減るのだが…。
他にローテ確定と言えるのは、2年連続二桁勝利を達成した武田だろう。中盤突然崩れるクセさえなんとかなれば、エース不在と囁かれる若手先発陣の中で、文句なくその座に君臨することができるだろう。今オフはフォークも試していくとの話。魔球カーブと共に相手打者を翻弄する武器としたい。
2016年シーズン最大の掘り出し物だったであろう千賀も、順調にいけば先発ローテ当確だろう。今年取り逃がした最高勝率はもちろん、念願のタイトル獲得を目標にしたいところだ。ただし、千賀は1年間ローテを守ったのが今シーズン初。未知数な面も大きいのが不安要素か。
和田、武田、千賀、そしてバンデンハークを軸に、谷間を東浜、中田、攝津正らで埋めていくのが2017年の基本の形となるだろう。
2016年先発・中継ぎとフル稼働し、いい場面で活躍を見せた岩嵜翔も捨てがたい。しかし、巨人へ移籍した森福允彦の影響で穴が空いた中継ぎ陣の再生も急務だ。能力を考えるともったいないが、岩嵜・スアレス・サファテとで勝利の方程式を組むことができれば心強い。
●2017年のローテはどうなる?~若手投手編
ご覧の通りホークス投手陣は実にレベルが高い。特に武田、千賀、東浜、岩嵜は年齢も若く、先発に関しては数年は盤石の体制で試合に挑むことができるのではないだろうか。そこに10代~20代前半の若手投手陣が食い込んでくれば、しばらくホークスは投手王国としてパ・リーグに君臨するかもしれない。
いま一番の注目は、やはり2016年ドラフト1位の田中正義だろう。大学時代プロを相手に7者連続三振を取った実力は、否応にも期待がかかってくる。その能力の高さから即戦力としても期待される右腕は、状況によって2017年の1軍デビューもあるかもしれない。
2015年ドラフト1位で入団した高橋純平はどうだろうか。2016年は同期ドラ1の中で唯一1軍昇格の無かった高橋だが、持っている潜在能力はピカイチ。高卒であることを考え、なおかつ1軍ローテの現状を考えれば、無理して昇格させるより下で体をじっくり作り育てていく方針でも問題は無いと感じる。しかし、ホークスファンとしては期待のドラ1念願の1軍デビューも期待したいのが本音ではないだろうか。
また、2016年ついに1軍デビューを果たした2014年ドラ1松本裕樹や、WBC U-23大会に選出された左腕・笠原大芽あたりが本格的に出てくると、ホークス先発陣の未来は極めて明るいと言えるだろう。
●まとめ
先発ローテーションの椅子は最大6つ。チーム内で選ばれし6人だけが手にできるそのポジションをつかむのは誰なのか…。あふれるほどに先発の人材が豊富なホークスだからこそ、ローテ予想が困難だという嬉しい悲鳴がファンから聞こえてきそうだ。