※ソフトバンクに2位指名されました!
プロ志望提出が注目される江陵高校古谷優人(ふるや ゆうと)
好左腕が競演した今夏の甲子園。その舞台に立つことは叶わなかったものの、出場組に負けない注目度・評価を集める150キロ越えのサウスポー・古谷優人。ドラフト「最上位」での指名も検討されているという彼の魅力や特徴について記載します。
【簡単なプロフィール】
名前:古谷 優人
出身:北海道帯広市
生年月日:1999年2月19日生まれ
身長体重:176cm76kg
守備位置:投手(左投げ左打ち)
在籍高校:江陵

【経歴】
小学校から野球を始め、幕別町立札内中では軟式野球部に所属。同中学は江陵高のすぐそばということで、江陵の谷本献悟監督がしばしば視察。古谷君を打者として高評価・スカウトし、自身も腕試しができる環境でという想いから複数の候補の中から進学を決意したようです。
※ちなみに谷本監督は江陵を2012年春から率いており、PL学園中出身ということもあって繋がりのある学校に出向いて有力校と練習試合をしたりと、それまでよりも同校野球部にとってはレベルアップが望める活動になっているようですね。
江陵高に進学後は早速ベンチ入りし、春の支部大会初戦・帯広大谷戦でいきなりの完封デビュー。同夏にはエースナンバーを勝ち取ると、130キロを超える速球とスライダーを武器に支部予選全試合に登板し、同校10年ぶりの北北海道大会進出に導きます。同北大会では初戦敗退も、実力校である旭川大高相手に2失点完投と好投。
その後の秋春と公式戦で結果は残せませんでしたが、2年夏に再び話題に。支部予選の初戦で延長15回を18奪三振無失点で投げ切り、翌日の再試合でも延長12回を10奪三振完投。2日間で380球を投げ抜いて勝利に貢献しました。続く2回戦で敗れましたが、この頃には球速も140キロに届く程になっていたそうです。進化は止まらず同秋には148キロ、翌春にも147キロをマークし、いずれも支部予選の初戦敗退ながら注目度はうなぎのぼり。
もはや到達は時間の問題かと思われた150キロは夏前の練習試合でマーク。こうして「150キロ左腕」として注目の的となった中で臨んだ最後の夏。支部予選を勝ち抜いて、自身1年夏以来の北北海道大会へ。開幕戦で網走桂陽を破り、同校初の道大会勝利に導きます。続く旭川西との試合では驚異の154キロをマーク。更に釧路工戦では8者連続を含む毎回の20奪三振完封。準決勝で滝川西に敗れるも、完投続きで疲労困憊の中150キロ、毎回の12奪三振をマークして最後まで高校生ばなれした投球を見せました。
【特徴や魅力について】
先発で150キロ近いスピードをコンスタントに投げられる左腕というのは今年に限らず、アマチュア球界では稀有な存在です。
そんな彼はもともと騎手だった親譲りの体力や入学時から一回り以上ガッシリとした体躯のパワーもあれど、決して力任せでスピードにばかり傾倒した投手ではありません。しなやかさ・腕の振りの良さで投げ込めるというのが魅力であり、将来性でもあります。また、相手を見て緩いカーブを交えたり、雨天でコンディションの良くない状況や不調・疲労で本来の出来でない状態でも悪いなりの投球を見せたりと投球センス・対応能力も非凡であると感じます。
速球だけでなく決め球として空振りを奪える素晴らしいスライダーもあり、高校生相手には奪三振の山を築きますが、今後は他の持ち球も精度を上げていくことで投球の幅を広げていくことが課題になりそうです。そういう意味では親戚で同じ左腕である古谷拓哉(千葉ロッテ)から学ぶ部分もあるかもしれません。
また、「1番投手」として攻撃でもチームを牽引。その打撃・走塁についても評価されています。
【まとめと期待】
154キロというスピードや1試合20奪三振など、記録から見て北海道の歴史を塗り替えた投手であることは事実です。それを決して強豪校・名門とは言えない高校・環境で成し遂げるまでに成長したのは、指導は勿論ですが本人の根っからの「野球好き」というところが大きかったのではないでしょうか。打って投げて主将も務めて…とにかく目いっぱいプレーすることに喜びを感じるということ、上を目指したいという強い想いを持つということが3年間での大成長に繋がったように感じます。
一見始動から力感を感じさせないのに、一気に気持ちよく・しなやかに腕が振り抜かれるフォームと快速球・キレのいい変化球には今中慎二(元・中日)のような印象も。プロ志望を明言はしていませんが、次のステージでは将来的に今中投手のように絶対的な左腕として君臨することができるのか、道内と言わず全国でも上位の資質を持つ左腕として、その進路が注目されます。
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