※阪神タイガースに3位指名されました!
須磨翔風の才木浩人。プロ志望届を提出し運命のドラフトを待つ。報徳学園に神戸国際大付、東洋大姫路…他にも何校も強豪校がひしめき合い、今年も数多くの好投手が腕を競った兵庫県。そんな同県で特にプロスカウトの注目を浴びたのが須磨翔風のエース・才木浩人。甲子園どころか近畿大会への出場経験も無かったものの、そのポテンシャルに高い評価を受けている彼について紹介したいと思います。
【簡単なプロフィール】
名前:才木 浩人
出身:兵庫県神戸市
生年月日:1998年11月7日生まれ
身長体重:186cm78kg
守備位置:投手(右投げ右打ち)
在籍高校:須磨翔風
【経歴】
小学校から軟式野球を始め、王塚台中では軟式野球部に所属。中学2年時から本格的に投手に取り組むようになるも、この頃は目立った実績もなく無名の投手でした。
進学にあたり野球で私立から誘われるようなこともなく、兄が在籍していたということから、地元の公立校である須磨翔風に入学。
高校1年目は同期の投手たちが先を行く中で、入学時からその非凡な才能を認めていた中尾修監督の方針でトレーニングに励みます。1年秋はベンチ入りするという段階でしたが、長身から投げ込む直球は最速143キロをマーク、既にその片鱗を見せていました。
そして、冬の徹底した鍛錬と体づくりが実を結び、翌春にはエースナンバーに。
地区予選を経て、春季県大会では4試合に先発。唯一3位決定戦では登板せず、チームは敗れ近畿大会出場は逃しますが、同校初のベスト4入りに導きました。
2年夏は初戦から完封と最高のスタートを切り、4回戦で三田松聖、5回戦で姫路南と実力校相手に完投勝利。準々決勝でこの年の優勝校となる滝川二と対戦、序盤に苦しい場面からリリーフ登板も、相手打線の勢い・自身の疲労もあり失点を重ねてしまい敗戦。
引き続き躍進が期待された秋季大会は、県大会の初戦で姫路工に9回に追いつかれ、延長11回サヨナラ負け。悔しい1回戦敗退となります。
翌春も地区予選止まりも、育英相手に延長12回サヨナラ打を浴びるまで無失点の好投。140キロを超える速球を武器に、5者連続を含む10奪三振と力は見せました。
プロ注目右腕として取り上げられる機会が多くなった中で迎えた最後の夏は、初戦・尼崎稲園戦で5回を投げて被安打1の無失点、5奪三振と上々の出だし。この頃には既に最速148キロまで達しており、自己最速更新とはなりませんが、146キロをマークしています。
2回戦で言わずと知れた強豪・報徳学園と対戦。5回まで1失点も、味方が同点に追いついてから力みが出てしまい本塁打を浴びるなど最終的に5失点完投負け。とはいえ、公立校のエースで未完成の部分が多い中でのハイレベルな投球には、プロ側からも改めて高い評価がされています。
【特徴や魅力】
長身かつ長いリーチを生かした角度のあるボール、スピンの効いた良質のボールが魅力です。スラっとした体躯からしなやかに投げ込むので、非常に見栄えする投手です。
速球の威力が自慢の投手ではありますが、アバウトな力勝負ではなく制球を気にしながら抑えめで丹念に投げることが多いです。評価する声もある一方で、もっとガツンと攻めてほしいという意見もあるようです。
まだまだ心身のスタミナ、スライダー以外の変化球の精度など課題は山積ですが、それらを徐々に克服していくことで、長い目でみればとてつもない投手になれる可能性も秘めています。
【まとめと将来性】
まだまだ体は未完成の感が強いですが、高校入学時とは別人の逞しさを決して強豪私立程恵まれた環境ではない中、自ら追い込んで手に入れたという事実が素晴らしいと思います。
今後、より専門的な環境のもとで大きくステップアップしていけるのではないかという期待も膨らみます。
その長身からのダイナミックな投球に「藤浪2世」とも称されてきましたが、今夏はコンパクトなテークバックでスピードよりも1球1球の質と制球を意識したスタイルにも見えました。順調にいけば150キロ越えも近いであろうという中、最大値の大きさを全面に出すというよりは、コンスタントに戦える投手を目指し取り組んでいるのではないでしょうか。本人の目指す姿は藤浪晋太郎よりも岩隈久志のような投手なのかもしれません。
既にプロ志望届は提出済、将来のチームを担う存在としてマークしている球団も少なくないと聞きます。本格開花はまだ先、今後が非常に楽しみな選手です!