※堀瑞輝の交渉権獲得しました!
最後まで2強が競った展開となった今年のパ・リーグ。最終的には最大11.5ゲーム差を巻き返した日ハムがペナントを制しました。
その1番の立役者は選手で言えば大谷翔平であることは誰もが認めるところでしょう。しかし、そもそもがソフトバンク程の巨大戦力・層の厚さはない日ハムが優勝を掴んだのには栗山監督の起用に応えられる選手が各所に揃っていたこと、すなわちフロント含めた球団としてのチームづくりが上手く続いていたことが大きいのではないでしょうか。
その中でも選手獲得というところで、ドラフトにかけては毎年非常に「日ハムらしさ」を感じます。その年の1番良い選手を、という1位指名以下は独自色が濃いようにも見えますが、その選手の明確なビジョンを描いて育成・起用を行っていく、力を発揮させていくことに関しては12球団屈指ではないでしょうか。
【補強ポイント・戦略】
前記の通り、基本的にはその年の1番良い選手・球団として評価できる選手を競合や入団拒否の可能性にとらわれず1位指名してきました。昨年は抽選で続けて敗れる形となりましたが、この方針が変わることはあるのか、まず注目です。
先発投手は大谷・有原航平の2投手を中心にメンドーサ、高梨裕稔、吉川光夫、更には配置転換された増井浩俊らが活躍。全体的に若いメンバーで、ファームでも中村勝や吉田侑樹、立田将太、石川直也らが経験を積んでいます。右投手に関しては人材が豊富で今後の上積みが期待できる一方で、不安なのは左腕でしょう。
吉川は良い年と悪い年を繰り返すような不安定さがネックで、他に先発として期待できそうなのは新人ながら奮闘した加藤貴之とドラ1の大器・上原健太ぐらい。武田勝が引退、須永英輝が退団して石井裕也も年齢からフル回転は難しいと考えればリリーフも宮西尚生ぐらいしか実績のある左腕はいないという状況です。
また、リリーフに関しては増井が不調に陥ると助っ人に頼る部分が大きく、宮西と谷元圭介以外は若手が代わる代わる投げて安定感に欠けました。タイプ的にはリリーフ向きの投手もそれなりに獲得していますし、来季以降も現有戦力でやり繰りしていくことも十分考えられますが、似たスタイルのリリーフが多いだけに一人はいないタイプを加えるのも手です。ただし、近年も下位で即戦力候補のリリーフを獲得するも結果に繋がっていないのは考慮に入れておく必要がありそうです。
野手は投手以上に若いメンバーで、そのリーダー格である陽岱鋼は今オフのFA流出の可能性が考えられます。それでも、日ハムの伝統か外野は西川遥輝に岡大海、谷口雄也、淺間大基ら俊足強肩の好選手が揃っています。中田翔や近藤健介、レアード、そして勿論、大谷翔平と状況に合わせて起用できる選手もいることから、登録人数以上に外野は充実しているといえます。
内野に関しても同じ事が言えて、西川や近藤も守れないことはないのですが、田中賢介と中島卓也のレギュラー二遊間が離脱すると一気に担い手に苦しくなるというのは不安材料です。近年のドラフトでも二遊間で期待できそうな選手は獲得していますが、いずれも高卒で早期に定着できそうとは言えません。となると、底上げかつ次代の担い手・競争相手として大学・社会人から選手を加えるのもアリではないでしょうか。
【マークしている主な選手】
<1位候補:最上位の評価選手>
田中正義 投手 右投げ右打ち 創価大
寺島成輝 投手 左投げ左打ち 履正社
今井達也 投手 右投げ右打ち 作新学院
当初は今年のドラフト最大の目玉であり、在籍している大学からしても田中正義の指名が決定的と思われていました。しかし、今春の故障明けからは熱心だった日ハムのスカウトがあまり姿を見せないという情報もあり、実は故障について大きなリスクがあるという判断となっているのか、それとも日ハムらしい他球団を牽制する意味での動きなのか…非常に気になるところです。
また、ここにきて寺島・今井の両高校生投手を有力候補としているとの報も。寺島に関しては、昨年のドラフト1・2位で左腕を獲得してもなお編成上左腕不足が顕著であるチーム状況を鑑みれば、喉から手が出る程ほしいはず。今井に関しては夏にかけてグッと評価を上げたのは各球団共通ですが、日ハムとしては大谷以外に高卒の主力投手はいないということで、先々のチームを背負う存在を育てるという意味で良いモデルにしたい選手ともいえるかもしれません。
<指名候補:左投手>
古谷優人 投手 左投げ左打ち 江陵
高橋昂也 投手 左投げ左打ち 花咲徳栄
高山優希 投手 左投げ左打ち 大阪桐蔭
濱口遥大 投手 左投げ左打ち 神奈川大
即戦力・高卒投手いずれにせよ、頭数が少ないことを考えれば指名したいところです。1位および上位指名が有力視される選手も多いですが、中でも古谷は地元・北海道の怪腕ということでチャンスがあれば指名が期待されるところ。
スカウトも早くから目をつけていたということで、投手としての能力は勿論、総合的に見て最終的にどう評価するのかも気になるところです。高山はセンバツ・夏と良い状態で臨めずアピールできませんでしたが、ポテンシャルの高さは甲子園組の好左腕たちにも負けないものがあります。時間はかかってもモノにする、個性を重視して育成するという日ハムの環境でなら開花が期待できそうです。
<指名候補:二遊間候補の内野手>
京田陽太 内野手 右投げ左打ち 日本大
河本光平 内野手 右投げ左打ち 神戸学院大
坂本一将 内野手 右投げ左打ち BCリーグ・石川
京田は上役も含め足繫く通ってマークしているようです。遊撃手としてすぐに1軍で使える選手ということであれば、最も評価されているといえます。
河本・坂本はいずれも全国区では知名度が高いとは言えない小柄な遊撃手ですが、走塁と守備を高く評価されている選手。日ハムは木田GM補佐がかつて石川でプレー、現在も多田野数人が兼任コーチを務めるなど石川球団との縁もあります。坂本はムードメーカーとしての魅力もあり、人間性と個性を兼ね備えた存在だけに下位ぎりぎりで指名する可能性も0ではないように思います。チームとしても、荒張裕司以来の独立リーグ出身選手が誕生するか気になるところです。
【最後に】
他球団にとってはリスクだと捉えられても、それをクリアできる・チャレンジできるという自信を持ってドラフトで指名できるのが日ハム。その根底には綿密な調査やチームとしての意思共通・システム構築がされているのでしょう。
だからこそ、次から次へと新たな選手が適材適所で力を発揮できるのだと思います。チームの補強ポイントを抑えるとともに、ウチでだからこそモノにできる、という想いが指名になって表れやすいという点を踏まえて、日ハムのドラフトに注目してみると更に面白いかもしれません。
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